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高橋 良和; 小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 高谷 芳幸*; 辻 博史
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 12(2), p.1799 - 1803, 2002/06
被引用回数:5 パーセンタイル:35.04(Engineering, Electrical & Electronic)原研はメーカと共同でITERのトロイダル磁場(TF)コイル用NbAl素線を開発してきたが、中心ソレノイド(CS)モデル・コイルを使用して実験されるNbAlインサート・コイル用に、ジェリーロール法による素線を1トン製造した。この素線は、量産を目指した製造技術(品質管理技術を含む)を確立し、それを用いて製造されたものである。この素線の臨界電流値を広い温度範囲(4~15K)と磁場範囲(16Tまで)において測定し、ピンニング力のスケーリング法により、臨界電流値の実験式を導き出した。この式は、ITERの運転温度において、実験結果とよい一致が得られた。よって、この式は、この素線を1152本用いた13T-46kA導体の性能評価及び核融合用超伝導導体の最適設計基準の確立のために有用と考えられる。
沢 和弘; 角田 淳弥; 植田 祥平; 鈴木 修一*; 飛田 勉*; 斎藤 隆; 湊 和生; 高野 利夫; 関野 甫
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.403 - 410, 2001/06
被引用回数:7 パーセンタイル:48.66(Nuclear Science & Technology)HTTRの初装荷燃料は日本初の大量生産による高温ガス炉燃料であるため、その品質を慎重に調べる必要がある。そこで、製造時関連の品質管理の他に、運転中の燃料の健全性を確認するための試験を原研において行った。試験は(1)SiC層破損率確認試験,(2)照射後燃料加熱試験及び(3)加速照射試験より成る。製造時のSiC層破損率確認測定では、製造過程のSiC層破損率測定に加え、原研がSiC層破損率を測定し、測定値が95%信頼限度内で一致することを確認した。燃料コンパクトの照射後加熱試験を行い、加熱した燃料コンパクト内に破損粒子がないことを確認した。Csの拡散係数の測定値は、従来の試験燃料と同等以上の保持能力であることを示した。さらに、製造した燃料の加速照射試験を行い、HTTRにおける最大燃焼度33GWd/tの約2倍まで破損が生じていないことがわかった。今後実施する予定の照射後試験計画についても述べた。
加藤 茂*; 吉牟田 秀治*; 羽角 孝*; 佐藤 健治*; 沢 和弘; 鈴木 修一*; 茂木 春義; 塩沢 周策; 田中 利幸
FAPIG, (154), p.47 - 51, 2000/03
原研が建設した高温工学試験研究炉(HTTR)の初装荷燃料は、原子燃料工業(株)にて1995年から開始し、約2年間で計4770本の燃料棒を製造した。HTTR初装荷燃料の生産技術は、過去30年間にわたる照射試験燃料の製造経験等をもとに確立したものである。特に、燃料核工程の振動滴下技術、被覆燃料粒子工程の4層連続被覆法及び燃料コンパクト工程における全自動燃料コンパクト成型システムの開発により、高品質かつ高効率の生産が可能となった。HTTR初装荷燃料の品質は、設計仕様を十分満足しており、燃料コンパクトの露出ウラン率及びSiC層破損率の平均値は、それぞれ210及び810であった。
沢 和弘; 飛田 勉*; 茂木 春義; 塩沢 周策; 吉牟田 秀治*; 鈴木 修一*; 出牛 幸三郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(8), p.683 - 690, 1999/08
被引用回数:32 パーセンタイル:88.99(Nuclear Science & Technology)日本初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉(HTTR)は、1998年11月に初臨界を達成した。燃料の製造は1995年6月に開始し、1997年12月に150の燃料体の組立を完了した。4770本の燃料棒に対応する、合計66780個の燃料コンパクトは、燃料核、被覆燃料粒子、燃料コンパクトの各工程を経て無事製造した。燃料の製造技術は、これまでの多くの研究開発及び照射試料の製造経験を通して確立されてきた。製造した燃料コンパクトには、貫通破損粒子はほとんど含まれておらず、また、炭化ケイ素(SiC)層の破損粒子はわずかであった。平均貫通破損率及びSiC層破損率は、それぞれ210及び810と良好な値であった。本報では、(1)製造した燃料の特性、(2)初めての大量生産で得られた経験及び(3)燃料の製造結果に基づくHTTR運転中における燃料挙動の予測について述べる。